8月末から連続して強い台風が敦賀にきました。みなさんのおうちは被害ありませんでしたか?
敦賀市大比田のガラス修理に行った先のおばあちゃんが、「長生きしとるけどこんなに風が強く吹いたのは初めてだった」って言ってました。敦賀市の最大風速47.9m。マジでハンパなかったですね。
台風被害のガラス修理の依頼がたくさんありまして、いまだにイワイガラスはパンク気味です。
このあと結局お電話いただいた修理の数は170を越えました。中にはお待たせしすぎて、弊社では対応できなかったお客様もいらっしゃいました。申し訳ありません。。まだお待ちいただいている方、もう少々お待ちください。
こんにちは。福井県敦賀市
イワイガラスの5代目 岩井達也です。
5代目のプロフィール ←僕の自己紹介ブログです。
イワイガラスのリフォーム実績←イワイガラスの施工ブログです。よろしければご覧ください♪
イワイでは一緒に仕事を楽しめる仲間を募集してます!!←詳しくはリンク先のブログをご覧ください
今日はこの台風被害で僕が感じたガラスのことについて書いてみようと思います。
案外モロかった縦線の網入りガラス
ガラスには網入りガラスというものがあります。こんなやつ。
上が透明の網入りガラスの菱
下が透明の網入りガラスの縦線
見たことありませんか?工場や学校、病院など大きな建物、隣の建物と距離が近い窓によく入っています。
網っていうのは鉄線です。作られた目的は、防火性能をあげるため。網が入っていることで、ガラスが割れても破片が飛び散りにくいという特徴があります。火事でガラスが割れてしまっても、網があると窓枠の中に留まるようになるので、火が窓から飛び出して隣接する家に燃え移るのを防いでくれます。
よく誤解されますが、網入りガラスは強化ガラスではありませんし、防犯性能もありません。
網があるから強いんじゃないの?って思いますよね。ガラスと鉄は線膨張率というものが違います。熱を持った時に伸びる割合といえばわかりやすいでしょうか。これによる熱割れというものが起きます。鉄が伸びようとしてガラスを引っ張って割れます。また、鉄は錆びます。錆びた鉄線が膨らんでガラスを割ることもあります。
網があるからガラスを割って人が入れなくなってるんじゃないの?って思いますよね。例えば窓ガラスの場合、ガラスを全て取らなくても窓の鍵を回せば侵入ができます。飛び散りにくいという性質があると書きましたが、飛び散らないということはガラスに穴を開けて、ヒビが入ってもガラスが飛ばず、音があまり出ないわけです。大きな音を立てずに泥棒が窓を開けてしまうわけです。
話がそれたので戻します。防火の性能で作られた網入りガラスですが、実は縦線タイプのガラスは数年前から防火のガラスから外れています。防火のガラスとしては不十分であると判断されたからです。鉄線が1方向だけですからね。菱タイプに比べたらやっぱり弱いわけです。
これが今回のような風害でも、差がモロに出ました。同じ網入りガラスでも菱タイプのものは窓にガラスが収まったまま残っているものが多かったですが、縦線タイプのものは飛び散ってしまってほとんど残ってない所が多かったです。
【縦線の網入りガラス】
【菱の網入りガラス】
写真は今回の修理依頼の中から使わせていただきました。ほんの一部ですが、僕のスマホの写真で、縦線ガラスのもので割れたガラスが枠の中に半分以上残っていたものはありませんでした。それだけ割れた時の飛散の確率が高いわけです。
菱タイプだから絶対飛び散らないわけではないですが、それでも飛び散る確率はグンと下がります。縦線の網入りガラスが防火ガラスから外れたのも納得です。
また、今回多かったのは、先ほど説明した熱割れ、サビ割れを起こしてヒビが入ったガラスをそのままにしていて、今回の台風で一気に割れて飛んでしまったケース。網入りガラスが入った窓の修理依頼がとても多いのはこのせいだと思われます。
防火地域、準防火地域、延焼ラインに掛かってくる窓には、網入りガラスなどで防火窓にする必要があります。敦賀市では駅前や本町などがこの規制のかかる地域。この辺りで昔からお店をされていらっしゃる所も多く被害を受けていました。
イワイガラスでは今回の風害を踏まえて、縦線ガラスが入っていた箇所の修理は菱の網入りガラスをオススメするようにしました。金額は変わりませんので。
見た目が変わっちゃいますけどね。安全第一のご提案をさせていただきます。
効果がハッキリ出た飛散防止フィルム
こんなブログを書いたのも、今朝の黒板でこんなツイートをしたらいつもより反応があったからでして・・・
以前ブログにも書いたことありますが、敦賀市内の小中学校には飛散防止フィルム(一部は遮熱フィルム)を貼る工事を行いました。網の入っていない普通のガラスにフィルムを貼るんですが、ガラスのほぼ全面にフィルムが接着しているため、ガラスが割れても飛び散りにくくなります。
こちらは今回の風害の写真以外のものもありますが、フィルムを貼ったガラスが割れるとこんな感じになります。
細かくヒビが入っているにもかかわらず、破片がフィルムにへばり付くため飛び散りません。
今回、風圧でガラスが割れて、そのまま部屋の中をガラスが飛んで、向かい側にある壁にガラスが突き刺さっている現場もありました。人がいたら、夜そこで寝ていたらと思うとゾッとしますよね。
フィルムを貼ると、ガラスが割れて修理する時にその分プラスアルファ費用がかかってきます。その点はデメリットではありますが、安全面や台風で割れても雨が侵入してきにくいことを考えればば大きなメリットがあると思います。
黒板には「強化ガラスよりも普通ガラス+フィルムがいい」と書きました。
説明すると、まず強化ガラスは割れないガラスではありません。強化ガラスも割れます。割れた時は、ガラス全面が一気に粒状に割れます。
仮にこのガラスにフィルムが貼ってあっても、フィルムに張り付いたガラスがフィルムなりに落ちてしまいます。
実際に敦賀市内の体育館で、強化ガラスにフィルムを貼ったものが割れて、
このように面になって落ちてきたという事故もありました。
ですから、強化ガラスにフィルムを貼る時は注意が必要です。
こういうことも考えると、普通のガラスにフィルムを貼ってあるもので、
ガラス押さえがシリコンのもの(この点は長くなるので説明を割愛します)が割れた時一番落ちにくいのかなと思います。
ま、コレはあくまでも僕個人の意見ですので。
イワイガラスにはガラスフィルムの資格を持った者が2名おります。1名はなんと私5代目です。
フィルムのご相談もお待ちしております♪以上、今後の台風に怯えるイワイガラスの5代目でした。