視覚障害のある方の手すりの高さ

こんにちは。

福井県敦賀市 イワイガラスの5代目 岩井達也です。

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介護保険居宅介護住宅改修費を申請してのリフォーム

非常に長い名前ですが、いろんな市町村でも同様の補助金があるようです。

介護保険者の在宅での日常生活に支障がでないよう(少なくなるよう)に手すりの取り付けや段差の解消を行う工事に対して、部分的に補助をしますよ、というもの。改修にかかる費用として上限20万円(1割はお施主様負担)の補助がでます。

今回ご依頼をいただいたのは、目が見えにくくなったおばあちゃんのおうちのリフォーム。

普段、玄関ではなく勝手口からの出入りが多いおばあちゃん。勝手口は車庫と繋がっており、雨に濡れずに車に乗り降りができるんだとか。

ただ、その勝手口にある階段は段が高い上に段差がバラバラで、手すりも何も無い状態。目が見えにくくなっているおばあちゃんは、おじいちゃんやご家族に支えられながら、手探りで階段を上り降りしていました。

【施工前】

家の中から1段目の階段までは約30cm。

その他の段は約20cm

30cmも段があると、僕達でも上がりにくく感じます。手摺りも無く、この状態ではとても危険であるということで、今回の工事内容は3点。

・段差を小さく、できるだけ均一にすること

・階段に手摺りを付けること

・屋内側に縦の手摺りを取り付けること

介護支援を担当されている方と話をしていて、

・転んでしまわないようにできるだけ早く対応をしたい

・工事も時間がかからず、使用頻度が高い場所なのでその日から使えた方がいい

・申請書類の処理だけでも時間がかかるので、見積、申請書類ができるだけ早くほしい

という雰囲気が伝わってきました。

打合せの段階で先方からは、『コンクリの階段を壊して新たに階段を作るしかありませんかね?』という話をいただきました。

「本当にお急ぎで、少々の見た目は気にされないようでしたら、その日にお使いいただけるように工事させていただきます」

とお伝えして、ウッドデッキに使う材料を使っての段差解消を提案。了承をいただいて、このように工事をさせていただきました。

【施工後】

手摺りの工事についてはご覧の通り。

階段は既存のコンクリの階段にウッドデッキの材料で高さを調整しながら、もう1段 階段を増やして、段差が小さくなるようにしました。

だいたい1段あたりが17cm前後になるように調整。体勢を大きく崩さずに昇降できる段差にしました。

年配の方の手すりは低めという固定観念が生んだミス

年配の方が使う手摺りの高さ。一般的な高さよりも少し低めというのが僕の頭の中にありました。

今回、リフォームを依頼くださったおばあちゃんは、背が低め。

階段の昇降で使う手すりには体重をかけながら使うだろうということで、おばちゃんが使っている杖の高さを参考に、750~800mmで考えていました。

ちょうどいい、と言っていただけるか、もう少し低い方がいい、とお返事がくるものと思っていました

ところが、取付けて確認をいただいたお返事はもっと高い方がいい、というものでした。

確認をいただくおばあちゃんの動きを見ていて、しまったと思いました。目が見えにくいおばあちゃんは、階段を降りる時、手摺りを探して手を伸ばしますが、段の上から前傾する姿勢を取ることに不安を感じているというのがすぐにわかりました。

おばあちゃんとご家族に謝って、手摺りを再手配。本日おばあちゃんに確認をいただいて施工完了となりました。

取り付けた手摺りの高さは、踏面から850mm

とりあえずしばらく使っていただいて、高いようならまた切りに来るからね、とは伝えましたが、おそらくちょうどいい高さかと思います。

僕が無知であったが故に数日ご迷惑をお掛けする結果となりましたが、おばちゃんには喜んでいただけました。

今回のことは忘れないと思います。一応僕は建築士ですので、こんなことではイカンのでしょうが、勉強になりました!もっとお客さんの言葉や動きに注意できるようになりたいと思います。

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