こんにちは。福井県敦賀市
イワイガラスの5代目 岩井達也です。
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8月になりました。今年は特に暑いですがみなさん体調崩してないでしょうか?無理しない程度にがんばって乗り切りましょうね♪
さて、8月になると毎年思うことについて今日は書いてみますね。
ちょっと長くなりますがもし良かったらお付き合いください。
2011年8月5日
この日、僕はガラスの欠片で首を切ってしまう大きな怪我をしました。
ガラスブロックっていう四角いガラスの箱を積み上げた部分に、ガラスブロックを取り払ってアルミサッシを入れる工事をしていました。頭の少し上にある高さの窓だったので、脚立に足場板をかけての作業でした。
当時の僕は25歳。大学を卒業後に入学した専門学校で建築士の資格を取った頃です。その前の年の12月にイワイに入社をしました。社員としては8ヶ月程度でしたが、専門学校に通っている間の長期休暇は毎日仕事に出ていましたので、合計で1年~2年くらいの経験値は積んでたんですかね。この頃僕は先輩の大ちゃんというイワイの職人の手元として、一緒に作業をして仕事を勉強させてもらっていました。
とにかく早く手元を卒業して、1人で現場を任せてもらえるようになりたい!と思っていて、現場では仕事を教えてもらっていた大ちゃんの動きを見て、ちょっとでも作業スピードに追いつけるように必死な毎日でした。
この日も当然のように大ちゃんのほうがスピードが早く、慌てた僕はちょっと横着をしました。2人でやれば安全な作業を1人でやろうとしたんですね。足場板の上の荷物を降ろそうとした時に、荷物に引きずられて足場板からガラスの欠片が落下。両手で荷物を持つ僕は落ちてくるのがハッキリ見えてましたが、動けずにそのまま首に直撃。
結構な量の出血がありました。この現場はお客様とうちの社長が仲良しで、怪我した瞬間は社長も現場にいたため、すぐに社長の車で病院へ。
切った部分が頸動脈ではなくて頚静脈だったこと、偶然その日の救急に有名な放射線外科医の先生がいらっしゃったという幸運も重なって、十数針縫うだけで済みました。
縫合をしてもらい、エコーで確認している最中に先生に
「静脈でよかったね。動脈だったらたぶんいまこうして会話はしてないんじゃないかな。避けようとして首を捻ってたらわからなかったね」
っていう話をされました。
落ちてくるガラスのかけらを僕はハッキリと見ていました。荷物を持ったからすぐに動くことはできませんでしたが、首を捻ることはできました。でもなぜか(避けちゃいけない。このまま受けたほうがいい)って思ったんです。それでそのまま受けてこのケガ。無意識に避けようとしたら、多分動脈がガラスの方に向くと思うんです。
自分でもとても不思議な感じでした。
少し話がずれますが、僕は昔っから「生き急いでいる」とよく言われてきまして(笑)野球にしても勉強にしても遊びにしても、結構な詰め込み方をするタイプでした。実際自分の中でも『今日死んでも悔いないように』って思いながら生きていましたし、なんとなく長生きはしなくていいんじゃないかなって思ってました。人生太く濃く生きれればそれでいいやって。
そんな考え方をしていましたが、どれだけ握っても止まらない出血や、助手席から平静を装いながら焦って運転している父の顔を見て(ああ、これヤバイな)って思いだして、だんだん怖くなってきたのを覚えています。病院について先生が傷口見て、「大丈夫!これは大丈夫だよ!」って言ってくれてやっと安心できました。
あんだけ一所懸命生きてきたつもりだったけど、いざ死んでしまうかもしれないっていう場面に直面したらものすごく怖かった。ホントにその数分の間でいろんな人の顔が浮かんできたけど、謝ることもできないし、大事なことも伝えられないままになっちゃうって思ったら、後悔しかなかったです。太く短い人生でいいやってなんてバカな考え方してたなと。
さて、かなり長くなってきましたが、この話にはもう少し不思議な話が続きます。
全く同じ日の2011年8月5日。
当時付き合っていた僕の奥さんも敦賀病院にいました。その理由は、奥さんのお母さんの体調が優れないから検査に来ていたんです。
お母さんの体には癌が見つかりました。奥さんとお父さんは余命の宣告を受けたそうです。
この数ヶ月後、お母さんは亡くなりました。
僕のことを「たっちゃん」って呼んでくれて、とても可愛がってくれていたお母さんでした。僕は今でもお母さんが身代わりになってくれたと思っています。もしかしたらこんなケガしなかったら、お母さんに癌も見つからなかったんじゃないか、とすら思います。
この日以来、僕の生き方はちょっと変わったと思います。
この経験で、お母さんの分まで一所懸命に生きること、命を大切にすること、怪我をしない・させない会社を作ることを強く意識するようになりました。お母さんから大切なことを教えていただきました。
と、いうことで8月5日はちょっと特別な日。1年で一番暑い時期で、普段より集中力は欠けるし、イライラはするし、毎年めちゃくちゃ忙しくなってくるこの時期。だからこそ落ち着いて、冷静になって、焦らないで仕事をしていきたいですし、社員のみんなにはそうやって仕事をしてもらいたいと思います。
お母さんのためにも事故のない、みんなが笑顔で毎日帰れる会社にしなきゃなと思います。
皆さんの会社にも、仕事を早く覚えたい、早く自立したいと必死に頑張る若手社員さんがいらっしゃると思います。このブログを読んでいただいたのでしたら、その社員さんに一声かけてあげてください。
ご安全に。